日記 / ブログ&お知らせ

天然菌で醸造するという芸術

2015年07月09日|カテゴリー: 自然栽培×天然菌

cobo

タルマーリーの新しいパン工房。まずやらなければならないのが、天然菌の環境をつくること。
工房の内装工事では、壁に漆喰を塗ったり天然塗料を使うなど、できる限り化学物質を使わず、菌の住み心地の良い環境を作る努力をしました。
しかし、いざ自家製酵母パンを作ろう!と思っても、まずは菌の環境を整えることからコツコツ始めるしかありません。とにかくどんどん酵母を育て、パンの発酵に良い菌に棲みついてもらう努力を続けます。
そして実際にレーズン酵母、ビール酵母、全粒粉酵母などの培養を始めましたが、面白い現象が起こっています。
一番培養が簡単なレーズン酵母。瓶にレーズンと水を入れておくと、レーズンの皮や空気中にいる酵母が、レーズンの糖分を食べてブクブク発酵し始めます。
しかし、イタルが仕込んだらちゃんと発酵するのに、スタッフが仕込んだらうまくいかない…という現象が起きているのです。
なぜこんなことが起きるのか?とにかく原因として考えられる要素を排除していくしかありません。
2008年にタルマーリーを開業して数ヵ月後、私たちは“天然菌”というキーワードに出会い試行錯誤を始めたのですが、それから天然菌の発酵醸造に関して多大なアドバイスをくださったのが、医学博士の三好先生でした。
三好先生はアレルギーや化学物質過敏症などに対して一切薬を使わず、衣食住の生活環境を改善する診療をしておられます。先生は次のような事実を教えてくれました。
「天然菌で発酵食品を醸造するとき、揮発性化学物質の影響によって異常な菌が発生し、これまで通りの発酵ができなくなる場合があります。原料に使用される肥料や農薬だけでなく、作る人の衣食住に関わる化学物質(合成洗剤や防虫剤、化粧品など)が悪影響を及ぼす場合があります。」
このことを早速、スタッフ全員に伝えました。すると、みんな素直に生活を見直そうと動き始めてくれています。
レーズン酵母の仕込みに失敗したスタッフは最初かなり落ち込んでいましたが、その次の日からお化粧をしないで来るようになりました。そして、
「洗濯にはどんな洗剤を使ったらいいんでしょうか?」
と、家庭で合成洗剤を使うこともやめようとしています。
「タルマーリーのパンを絶対に作りたいんだ!」
という意欲がひしひしと感じられ、イタルも私もそれにきちんと応えなければ…と気持ちが引き締まります。
三好先生はこうも言っています。
「さらに心の状況が発酵醸造に影響する、と言われることもあります。天然酵母のパン屋さんは気持ちが安定している時とイライラしたり不安定な時とでは酵母の働き方が違ってくるそうです。安定している時は出来上がったパンの味はよいのですが、不安定の時は味が落ちるとのことです。
日本酒造りにおいては昔はこれと同じようなことがよくあったそうですが、最近ではほとんどが純粋培養の酵母を使っているのでこういう影響は少ないようです。天然菌の発酵醸造食品は造り手の心が反映するものですから、芸術品と言えるでしょう。」
そう、私たちはタルマーリーというチームで天然菌に向き合い、芸術品を作っていく。
この目標に向かって努力を続けられる人じゃないと、チームの一員にはなれません。
今までの経験上、古民家であっても、酵母環境が良くなるまでには時間がかかりました。
さて、タルマーリーは智頭に移転し、木造の旧・那岐保育園で、新たなスタッフと天然菌でパンやビールを醸造していきます。
これからどんな菌たちが集まってきてくれるでしょうか。
ワクワク、ドキドキ、楽しみです!


智頭町にてカフェをオープンしました!

2015年06月19日|カテゴリー: 自然栽培×天然菌

18590_597178463718271_8961157449904794032_n

タルマーリーは智頭町に移転し、カフェをオープンしました!

 

11430108_597173577052093_2210589690813160778_n

 

カフェメニューは…
■手作りの薪窯で焼く自家製酵母のピザ

■タルマーリーのパンを使ったサンドイッチ各種

■牛乳アイスや焼き菓子などの自家製スイーツ
■自然栽培コーヒーなどソフトドリンク各種
■タルマーリーセレクトのクラフトビール各種
■自然派ワイン
です!

11012826_597174437052007_958756009841684971_n

10511182_597174443718673_205646670642404028_n

 

焼き菓子のテイクアウトOK。
オーガニック食材・雑貨の物販もしておりますよ。

豊かな里山に抱かれた旧那岐保育園が、異国に迷い込んだような雰囲気の良いカフェに変身しました!
ここの水で醸した生地で、ここの山の薪で焼くピザ。
ここでしか味わえないタルマーリーカフェを存分に楽しみに、皆さんぜひお出でくださいませ!

10359170_597173297052121_3342085981471142888_n

☆タルマーリー☆
営業時間 10時~17時
定休日 火曜・水曜
〒689-1451
鳥取県八頭郡智頭町大字大背214番地1
電話 0858-71-0106


一時休業と移転への経緯

2014年12月25日|カテゴリー: 自然栽培×天然菌

生活楽しむ3

 

いつもタルマーリーを応援していただき、誠にありがとうございます。2014年11月から一時休業に入り、皆様にはご心配をおかけして申し訳ありません。
早速ながら、今後の展望をお知らせいたします。タルマーリーは鳥取県智頭町へ移転し、【パン・ビール・カフェ】の3本を事業の軸に、2015年夏までに再開する予定です。
大変遅くなりましたが、その経緯を下記の通りご説明いたします。

 

▼タルマーリーの集大成に向けて
これまで私たちがパンづくりにおいて目指してきた目標は、
「地域の天然菌×天然水×自然栽培原料」
すなわち、
「今、ここで、タルマーリーにしかつくれないパン」
をつくることです。
また「地域の農産加工センター」を目指し、パンのみでなく近隣で採れる農産物を活かした加工品を作りたいと考えてきました。そして、ビールが大好きな渡邉格(以下、イタル)は5年くらい前から地ビールの製造を夢見てきました。
ビールは古代メソポタミアより「液体のパン」と呼ばれてきたように、パンとビールはともに麦を発酵させた食物であり、製法や技術の応用も可能です。

そこで、これまでパンで積み上げてきた技術を活かしたビール製造を実現するため、鳥取県智頭町への移転を決めました。
これまでと同じように、

「地域の天然菌×天然水×自然栽培原料」

すなわち、
「今ここで、タルマーリーにしかつくれないパンとビール」
をつくることが、新たな目標となります。
また、原材料のみならず、エネルギーとして薪を利用し石釜でパンやピザを焼くなど、智頭の里山の恵みを最大限に活かした加工と、それを楽しむ場をつくること。
それが、タルマーリーの理念の集大成と考えています。

 

▼ロール製粉機の導入と失敗
「地域の天然菌×天然水×自然栽培原料」でパンを作るという目標を達成するために、2011年に千葉から勝山に移転し、天然菌と天然水は確保できました。しかし、「地域の自然栽培原料」を100%にもっていくのが最後の難関でした。
これまで、パンに使う小麦使用量の約20%を占める全粒粉は、「地域の自然栽培原料」を石臼製粉機で自家製粉してきました。一方で、約80%を占める白い小麦粉は、九州の大手製粉会社から仕入れていました。この白い小麦粉も「地域の自然栽培原料」に切り替えるためには、「ロール製粉機」という大がかりな機械の導入が必要でした。
これを達成するため、まずは近隣の農家に無肥料・無農薬での小麦栽培を依頼。更に、高さが6メートルもあるロール製粉機を設置できる物件を勝山周辺で探したもののなかなか見つかりませんでした。

やむを得ず、勝山の店舗の天井に合わせて機械の高さを低くする設計を模索しました。そうしてやっと2013年12月にロール製粉機を導入し稼働を始めたものの、設計上の不具合で故障。やはり本来の高さ6メートルのままで設置しなければ稼働できないと判断し、再び近隣で物件探しを始めました。

 

b

写真:本来は高さ6mのロール製粉機を、勝山の店舗の低い天井に合せて設計しなおし、設置してみた様子。

 

▼地ビールの事業化
初めてビールづくりに興味を持ったのは、イタルが2003年に修業していたパン屋で、ビール酵母のパンに出会ったときです。自分もビール酵母のパンをつくってみたいと思った上に、2008年に千葉で開業した後は「いつか地ビールの製造までやってみたい」と考え始めました。しかし実際に着手できたのは勝山に移転して1年後の2013年。ビール酵母のパンを製品化していくと同時に、本格的な地ビール製造を目指し、研究や物件探しを始めました。

 

beer

写真:ビール酵母で仕込んだバゲット

 

▼経営の中心をパンからビールへ
またイタルが40代に入り、パンづくりの体力的な厳しさを痛感していました。
パンは発酵が早いので、仕込んでから24時間以内に完成させなければなりません。早朝から長時間重労働のパン製造は体力的に厳しい上、特に2013年9月の書籍『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(講談社)の刊行後は来店客数が増え、パンの製造量も増えたことに加え、取材や講演依頼も多く、心身の負担が大きくなっていました。
一方で、ビールは発酵がゆっくりで、仕込んでから完成まで数週間かかります。また、機械化できる工程も多く、パンと比べれば心身の負担が小さくなると予想されます。
これからタルマーリーとして商品の品質を落とさずに、イタルが老後まで職人として精神的にも肉体的にも持続可能な経営形態へと移行するために、地ビール事業の展開は今しかない。43歳という、まだ新規事業の立ち上げに必要な体力のある今の内に手を打っておかなければならないと判断しました。

 

▼休業への経緯
上記の通り、ロール製粉機の設置とビール製造を実現するためには、勝山の1店舗のみではスペースが足りないので、新たな物件を探し始めました。当初から、勝山のパン屋の営業を続けながら更にもうひとつ拠点を増やす、すなわち2拠点体制を考えていたので、なるべく近隣で物件を探したのですが、1年以上かけてもどうしても見つかりませんでした。やむを得ず、車で1~2時間の距離まで範囲を広げて探し始めると、候補となる物件が見つかってきました。
そこでいよいよビール事業化へ向けて動き出そうとしていた矢先、パン製造の主要スタッフが2014年10月末で退職することになりました。更に、イタルの持病である腰痛が悪化。この状態では、タルマーリーの命であるパンの品質を維持しながら2拠点体制を築いていくことは不可能でした。
勝山の皆様、真庭市をはじめこれまでご支援をいただいた皆様には大変申し訳ない思いでしたが、苦渋の末、10月末で勝山の店を閉め、新天地ですべての事業を一本化することを決断しました。
(なお、真庭市から受けた「真庭市起業支援事業補助金」及び「真庭市産業サポートセンター支援事業支援金」は、規定に基づき全額返還いたしました。)

 

▼新規体制に必要な物件の条件

1.ロール製粉機が設置できるよう、天井までの高さが6メートルある。
2.ロール製粉機の稼働に伴い、農家から小麦を年間一括で仕入れ管理できるよう、大型冷蔵庫が設置できる。
3.ビールが製造できるよう、タンク、大型冷蔵庫などが設置できる。
4.良質なパンとビールの発酵に必要な、良質な地下水が利用できる。
5.パンの製造・販売、カフェの営業に十分なスペースがある。
6.薪で調理できる石釜や薪ストーブの設置が可能である。
7.将来的に、宿泊業も営業可能である。

 

▼智頭町「旧那岐保育園」への移転
2014年10月初めに一時休業を発表してから、上記の条件を満たす物件を早急に探し、岡山県内で有力な候補が見つかりましたが、交渉がうまくいきませんでした。
その頃、鳥取県智頭町で農家を営む知人から、智頭への移転を勧められました。その後、智頭町役場からも打診があり、廃園後に利用されていなかった物件、旧那岐保育園を紹介してくださいました。この物件が諸条件に合致したため、移転を決意しました。

 

058s

写真:廃園後は使われていなかった旧那岐保育園

 

▼今後の展望
2014年12月21日に、智頭町長、いざなぎ振興協議会をはじめ町の方々と協定調印式を行い、旧那岐保育園の使用が正式に認められました。この度の移転に対して、智頭町からは多大なるご支援をいただき、また那岐地区の皆様からも大きな歓迎を受け、心から感謝しております。
移転後は、パン・ビール・カフェの3本を事業の軸に据えていく予定ですが、ビールの製造許可を得るまでに半年以上かかる模様です。よって、まずはパンとカフェからのスタートになりますが、2015年夏頃までには事業を再開したいと考えています。

 

以上が、これまでの経緯です。現在は、再開に向けて具体的な作業を進めているところです。今回もまた、イタルがスタッフと共に、できる限り自力で改装工事をする予定です。
イタルは、「いい意味で、今までの期待を裏切りたい。」と張り切っています。
さて、森に囲まれた豊かな里山、智頭町の旧那岐保育園が、どんな雰囲気のタルマーリーに変身するでしょうか…。
どうぞ今後とも応援をよろしくお願い致します。

 

智頭町について>
豊かな自然と歴史を活かし、観光と移住者の受け入れに力を入れています。人口8,000人弱という機動力を活かし、「森のようちえん まるたんぼう」「智頭麻」の栽培を町がバックアップするなど、ユニークな政策を打ち出し、話題を呼んでいます。

◆智頭駅までのアクセス
京都から2時間半、大阪から2時間、神戸から1時間半(特急スーパーはくと)
岡山から1時間20分(特急スーパーいなば)
鳥取から30分(特急スーパーはくと/特急スーパーいなば)

018写真:智頭町「みたき園」に流れる豊かな水


チョコオレンジのスコーン

2014年12月01日|カテゴリー: パン

chocorange

 

イベント【タルマーリーがシエロにやってくる!!!】で提供するスコーン!

 

見た目は素朴ですが、味はリッチなチョコオレンジのスコーン。

広島県・因島の自然栽培農家「いしくら自然農園」さんに、自家栽培の柑橘とオーガニックシュガーだけで製造していただいたオレンジピールがたっぷり入っています。

卵や乳製品など動物性素材は一切使っていませんが、豊かな味わいです。

 

このスコーンは今回のイベントだけでなく、6月からオープンする新しいタルマーリーカフェでも提供したいと思っています。

今回は製粉会社から仕入れた岡山県産小麦粉を使いますが、タルマーリーの製粉機の体制が整えば、自家製粉の小麦粉を使っていきます。自然栽培(無肥料無農薬)小麦を自家製粉した小麦粉を使うと、焼き菓子の美味しさも格段に変わってきます。

zenkei

 

写真は改装中の新タルマーリー(旧那岐保育園)。右のブルーシートがかかっている部分に、高さ6メートルのロール製粉機を設置する予定です。

 

自家製粉ができるその日を目指して頑張りますので、どうぞお楽しみに!!!

 

《チョコオレンジのスコーン》

材料:

小麦粉(岡山産ふくほのか)、オレンジピール(広島県産、自然栽培柑橘とオーガニックシュガーを使用)、有機豆乳(米国、中国産大豆使用。加工地:熊本)、菜種油(鹿北製油:オーストラリア産non-gmo菜種使用)、有機砂糖(ブラジル産)、有機アーモンドプードル(スペイン産)、有機ココアパウダー(加工地:オランダ)、有機リンゴ酢(アメリカ産)、ベーキングパウダー(ノンアルミニウム)、天日湖塩(モンゴル産)


9/6(土)、7(日)、自然栽培ランチセット~パンの盛り合わせ付き~☆

2014年09月01日|カテゴリー: パン

032

 

9/6(土)、7(日)は、タルマーリーのカフェで

【自然栽培ランチセット~パンの盛り合わせ付き~】

をご提供します!

自然栽培の素材をたっぷり使ったおかずと、タルマーリーの自家製酵母パンがいろいろ少しずつ楽しめるセットです☆

 

今回のメインは研修生・公美ちゃんによるラタトゥユ。

お料理上手の彼女がスタッフとみんなで蒜山耕藝へトマトの収穫に行ったとき、「暮らしとつながる料理教室viorto!」主宰の今枝ゆかりさんにラタトゥユを教わったのだそう。早速タルマーリーの賄いで作ってくれたのですが、それが絶品なのでした。

 

蒜山耕藝とタルマーリー。どちらも3年前の夏にこちらに移住してきて、それからお互いに、新たな土地で新たな基盤を築いていく過程を見てきました。

雪深く厳しい冬を越えるからこそ、蒜山の夏は美しい恵みに満ちています。

だから、蒜山耕藝の夏野菜がたっぷり手に入るこの一瞬の時期は、とても感慨深いです。

無肥料、無農薬栽培で3年目の夏野菜。

今しか味わえない美味しさを、ぎゅっととじこめたラタトゥユ。

 

更に、今回のランチには島根の反田さんの自然栽培牛蒡にも登場していただきますよ!

セット内容は下記のとおりです。

027

 

◆パン5種の盛り合わせ

◆蒜山耕藝のラタトゥユ

◆反田牛蒡のきんぴら

◆タルマーリー特製の粒あん

 

各日20食限定。

皆様のご来店、心よりお待ちしております!

 

【自然栽培ランチセット~パンの盛り合わせ付き~】 1,200円(税別)

ドリンクセット +300円(税別)

 

材料は下記の通りです。

 

◆パン5種の盛り合わせ

ピタ(酒種)、バゲットカンパーニュ(レーズン酵母)、ビール酵母のバゲット、ライ麦75%の黒パン(サワー種)、くるみとレーズン(全粒粉酵母)

 

◆蒜山耕藝のラタトゥユ

トマト、黒なす、青なす、にんにく(いずれも岡山県蒜山産・自然栽培)、玉葱(岡山産・有機栽培)、有機オリーブオイル(スペイン産)、天日湖塩(モンゴル産)

 

◆反田牛蒡のきんぴら

牛蒡(島根県江津産・自然栽培)、有機黒ごま油(鹿北製油:パラグアイ産黒ごま使用)、菜種油(鹿北製油:オーストラリア産non-gmo菜種使用)、醤油(丸中醤油:滋賀産大豆、愛知産小麦使用)、天日湖塩(モンゴル産)

 

◆タルマーリー特製の粒あん

小豆(岡山県津山産・自然栽培)、オーガニックシュガー(ブラジル産)、天日湖塩(モンゴル産)


天然酵母のパン屋タルマーリーのお知らせ<前のページ 天然酵母のパン屋タルマーリーのお知らせ>次のページ