2016年1月 の一覧
智頭小学校に通います。

紆余曲折を経て…。
結局、今年2016年4月から、我が家の子どもたちは智頭小学校に通うことになりました。
モコは5年生に、ヒカルが1年生になります。
そして今日は、モコが昨年春から通っていた「新田サドベリースクール」に行く最後の日になりました。
ヒカルは自ら、「智頭小に行きたい!」という判断をしましたが、モコに関しては両親である私とイタルが判断しました。そしてモコもそれに納得し、春から智頭小に通う心の準備を始めています。
昨年2015年4月。
私たちは智頭に引越し、何もかもが新しい生活が始まりました。
そして、モコは智頭小学校4年生に在籍しながら「新田サドベリースクール」に通うというスタイルを選択してきました。
「新田サドベリースクール」の平日クラスも2015年4月から始まったばかりの試みで、ワクワクドキドキ。親としても娘の教育環境が早急に充実してほしい…という思いで、緊張感を持ってきました。
2015年夏、私が鳥取大学での講演させてもらったとき、
「なぜ智頭に移転したのか?」
というお話をしたのですが、その中で子どもたちの教育環境も移転の要素になった…とご紹介しました。
そのときに、こんな質問を受けました。
「こうして講演をされたり、本を書いたり…ということができるのも、学校の勉強をして大学を卒業されたからだと思うのですが、お子さんをサドベリースクールに入れて不安はないのでしょうか?」
そのとき、私はこう答えました。
「正直、不安です。けれど、私は東京で一生懸命勉強して大学を卒業して、それからこうして田舎のパン屋になったのですが、自然を相手にモノづくりをしようと思ったら、私も主人も都会で自然を知らずに育ったゆえの身体能力や感覚の鈍さに限界を感じるようになりました。菌と向き合って良いパンを作ろうと思ったら、勉強して身に付けた“常識”を脱ぐ作業に、とても長い時間を費やさなければならなかったんです。
できれば子どもたちにも自然豊かな所で職人的な仕事をしてほしいと思っているので、一日中机に座って勉強するのではなく、自然の中で遊びながら、心も身体も連動した学びをしてほしいと願っています。」
ところで、もう20年も昔の話ですが、私は高校3年生のとき、肺結核を患いました。受験のストレスが大きく、進路をとても悩んでいました。
“生きる”ってなんだろう?
私が生きる意味は、どんな仕事をしたら見出せるようになるだろう?
そんなことを真面目に考えました。
高校生のとき、あんなに悩んだのは何故なのか?
それはきっと、自然や人間の繋がりが見えない都会で生まれ育ったからではないか…。
大人になって田舎で事業をするようになって、そんな若い頃の自分を改めて見つめるようになりました。
子どもたちには、私たちが歩んできた道の、更にその先へ進んでほしい。
私の曽祖父や祖父たちが田舎から東京へ出て暮らし、そして時代を経て私は都会の限界を感じてまた田舎へ戻り、農産加工業を営むようになった。
だから子どもは、私たちより更に自然と共に生きる技術を取り戻していってほしい…。
私はそんな風にイメージしてきました。
田舎でモノづくりをして生きていきたい。
若い頃そんな風に思ったときから私は根無し草で、いつどこに着地できるのか、どこに根を張ればいいのか、ずっと探してきました。
それから3回の移住を経て、今ここ智頭町那岐に店を開くことができました。
那岐の皆さんにこんなに温かく見守っていただいて、こんなに心安らかに暮らしている。ああ、ここ那岐でずっと根を張っていけたらどんなに幸せかなあ…。
この地域で商売をして生きていくということ。
タルマーリーのことも私たち家族のことも、地域の皆さんが本当に良く見ていてくれて、それがとても心強いこと。
そして、子どもたちが地域の皆さんに愛されて育ち、彼らがずっとこの地域で生きていけるといいなあ…。
この1年でそんなイメージをするようになって、自ずと子どもたちの教育環境についても深く考えていきました。
今のこの日本で、義務教育である小学校に敢えて行かない選択をするって、どういうことか。
そもそも“勉強”ってなんだろう?
私たちは、子どもたちに良い大学に行って大きな会社に入ってほしいわけではない。
けれど、どんな商売をするにも、モノをつくるだけでなく、経理の計算もあるし、宣伝のために言葉を紡ぐ必要もある。
それに、私たちは本だって書きたい、講演もしたい。
パンやビールをつくるだけでも大変なのに、どうしてこんなに言葉を紡ぐことに力を注ぐのか?
そもそも言葉ってなんだろう???
そんな根本的な疑問にぶつかりながら、本を読んだり、夫婦で議論したり、親として事業主として“教育”について一生懸命考えてきました。
そうして結果的に、モコもヒカルも“智頭小学校に行く”という選択をとりました。
紆余曲折、辛く寂しい思いもしたけれど、でも春からの動きを決めた今、モコが清清しい顔をしているのが、とても嬉しいです。
先日、兵庫県の進学校「白陵高校」での講演に家族みんなで行ったのですが、特にこのタイミングのモコにはとても良い刺激になったようです。受験であれ、モノづくりであれ、何か目標に向かって悩みながらも必死に一生懸命に頑張る。そんな風に頑張って前に進もうとしている人に出会うって、大人でも子どもでもワクワクする出来事です。
さあ、また新たなステージが始まります。
春からどんな出来事が待ち受けているでしょう。
モコとヒカルがどんなことでも乗り越えていけるように、私とイタルは彼らにひたすら深い愛情を注ぎ続けます。
これからの渡邉家も、どうぞ皆さんオモシロおかしく見守っていてください☆
タルマーリー女将 渡邉麻里子
WEBクリップ集『It Wall』に掲載されました

“誰かが心魅かれたもの”が詰まったWEBクリップ集『It Wall』サイト内、「CREATOR」のページに、タルマーリー女将・渡邉麻里子が掲載されました。
「CREATOR」は全国でものづくりをする女性たちの現場を紹介するページ。渡邉麻里子を取り巻く日常…スタッフと打合せ、イタルが作ったパンを売る、カフェのサービス、店で遊ぶ子どもたち、家族の夕食を作るetc…を、とっても素敵な写真と文章で表現してくださいました。
ちょうどこの取材の日、息子のヒカルが通う「森のようちえん まるたんぼう」の相撲大会があり、店を抜け出して見に行った様子も撮影。それは活き活きとした写真に切り取っていただき、渡邉家にとって素晴らしい記念になりました。
「バラバラだったすべてをつなぐ、田舎暮らしという選択」前編、後編に加え、イタルが奮闘して創り上げたタルマーリーの店内(内装)に視点を絞ったエクストラページもありますよ♪
美しい写真を撮ってくださった川瀬一絵さん、私のとりとめない話を明快な文章にまとめてくださった原田優輝さん、それを素敵なページに仕上げてくださった長門直大さん、本当にありがとうございました!
(『It Wall』は、あるとても有名な会社が“ものづくり”の素晴らしさを発信しよう!と立上げたサイトなのですが、社名などはまだ秘密なんだそうですよ♠)




